xEVに不可欠な高電圧部品の熱解析

最新鋭のEVは入出力限界を次々と突破

2020年から自動車業界はEVの開発を急ピッチで加速してきました、EVの入出力性能、EVの運用を支えるインフラ環境は飛躍的に向上されています。急速充電スピードを競っていて、従来よりはるかに大きいパワーの急速充電器を市場に導入されています。EVの充電時間を短縮して、単発の航続距離の回復能力を高めている状況です。欧米主導のCCS規格を中心に、すでにMAX350kWの急速充電器を増設し、テスラはスーパーチャージャーv3.0でMAX250kWの急速充電器を世界中に普及しています。日本主導のチャデモでも150kWの設置拡大に向かってすすんでいます、規格上ではすでに900kW充電が可能なものを用意しました。

出力側の動向は、明らかにEVは内燃機関車にキャッチアップしています。特に、EVでは搭載しやすい四輪駆動技術を採用している車が沢山できています、出力パワーは300kWを超えています。(テスラ モデルS Plaid, ポルシェタイカン、フォードマスタンなどは)

※市販車のカタログ値に基づく

この入力と出力とも右型上がりのトレンドで、EVの高電圧系のピーク電流は400A以上に突破または迎えていると推測しております。このような大電流では、電池、モータだけではなくて、電気部品とするバスバー、ワイヤー、ハーネス、ケーブルなどに大きい発熱課題が対面していると意味していると考えております。しかも、この発熱はただ熱問題だけではなくて、エネルギーの損失にも寄与していますので、慎重に考慮しないといけないと考えております。

このような背景に置かれまして、我々は電気部品の温度および熱損失を解析することが可能なジュール熱実装ソリューションを開発しました。

TAIThermでのジュール熱解析

TAIThermに搭載されているジュール熱モデルは電気コンダクタンスの空間変化および時間変化を再現し、過渡的に電気接続部品の発熱量と3次元温度分布を解析することが可能になっております。

高精度的なジュール熱解析を実現するために、電気モデルと熱モデルを連成する手法を開発しました。シミュレーションが進んでいる中で、電気抵抗率の現在値を更新するために、熱モデルから最新の温度値を取得する。同時に、現在の温度分布をリフレッシュするために、電気モデルから各要素の発熱量を取得しています。時々刻々に温度と発熱量の情報を交換しています。

※TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

モデリング実務上では、電気モデルと熱モデルは同じメッシュをそのまま利用できますので、追加作業は必要になりません。TAIThermはソリューションスタート時に自動的に電気モデルのノードネットワークを生成するので、非常に便利だと考えております。

どうしてジュール発熱は無視できない

l電動車の高電圧回路に大量的な電気接続部品(バスバー、ハーネスなど)を使用しています。普段気にならないジュール熱の問題は数百アンペアレベルの電流が流れると、熱問題として顕著になり始めます。ジュール熱は電流の二乗に比例しているので、電流が大きくなると、小さい電気抵抗しか持っていない電気部品も大量に発熱してしまうことがあります。しかも、銅材などの比熱が比較的に小さいので、温度が上がりやすい性質を持っています、高負荷運転の時の温度上昇がますます激しくなりがちです。上限温度(150℃前後)を超えると、絶縁被膜溶解、電気短絡または発煙発火などの重大なトラブルを招くリスクがあります。

ジュール発熱特徴

強電系のバスバーなどは銅材を主に使っていますが、銅材などの金属電線類は温度が上昇したときに、電気抵抗率も一緒に上昇していることはよく知られていると思っております。そのために、温度が上がったときに、電線の発熱量は増幅する形で過渡的に変化しています。

一方、バスバーは一般的にL/Oの制約で、理想的な直線状な配線はできなくて、複雑な経路と形状になっています。断面積の変化、曲率の変化、接触抵抗を起因にして、電流密度が複雑な空間分布をもっております。部位ごとに発熱量は違う形になると考えております。

ひいては、大電流高電圧系の熱シミュレーションの精度をよくするためには、発熱量の時間変化と3次元的な電流密度分布を忠実に再現することがキーポイントとなると考えております。 

従来でバスバーの塊一個の発熱量を一律に設定する手法では、最近電動車に向けての熱解析には足りないと考えております。

TAIThermジュール熱実装解析事例

バスバー、ハーネス、ケーブルなどの高電圧電気接続部品の初期設計においては、定格電流に対して電流密度が規定値以下に抑えるように部品の断面積を選定しています。ただ、L/Oと銅板成形の制約で、部品は折り曲げしたり、湾曲したりして、複雑な3次元形状になっています。電流集中効果などによって、実際の電流密度分布は設計値より悪化しています。それに、バスバーとバスバーの間、バスバー/ハーネス/ケーブルとターミナル端子の間に、接触抵抗が存在しています、接触部の温度が高い傾向になっています。

高電圧電気接続部品の設計には、高電圧電気接続部品の3次元電流密度解析および温度解析が必要だと考えております。

TAIThermのジュール熱モデルはこのような高電圧電気接続部品の熱解析に適しておりまして、高電圧電気接続部品の電流密度の可視化、ホットスポットの特定、ピーク温度値、周囲部品との熱授受のお見積りしております

解析の実務上は、モデリングは特別なケーアが必要なく、従来の表面メッシュを用いて、電気モデルセットアップファイルにターミナル、リード、電気特性の情報などを入力すれば、高電圧電気接続部品のジュール熱解析が容易にできています。

同様に、高電圧システムに搭載しているリレー、ジャンクションボックス、SDSWなどの部品の熱解析にも適用しています。

TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

シートヒータはよくニクロム線でシートの内装に仕込んで、熱伝導で乗客を直接温めています、電動車には沢山採用されている省エネ的な暖房方式の一つだと考えております。

とにかく電気エネルギーを節約する志向ですので、設計現場では、どのようにニクロム線を配置して、どのぐらいの電流を流して、どのように制御すれば、一番電気エネルギーの使用効率が高くて乗客の快適性を両立するかという課題を抱えています。

正確的にシートヒーターの快適性を評価するためには、まずニクロム線ヒーターの温度分布を高精度的に解析する必要があります。TAIThermは人体快適性とシート熱解析は得意ですので、ジュール熱モデルを使えば、そのような解析が可能です。

TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

PHEVではEVモードの時間が長いので、エンジン停止した後に走行風で触媒は冷やされて、エンジン再始動するときに触媒温度が目標温度以下になる可能性があります。触媒温度が低くなると、活性不足の課題ができております。コイル式の電気ヒーターを取り付けて、触媒の保温・昇温を実施して、再始動時の触媒温度を適切に管理しています。

ここでは、電気ヒーターによる触媒昇温のシミュレーション結果を示しております、これは排気ガスなしでのヒーター単体の昇温結果になります。

5min程度で、触媒浄化性能確保するために必要な目標350℃に到達していることができました、ただ、触媒温度が上がりすぎると劣化が加速されるので、過昇温にならないこともシミュレーションで確認しています。

TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

エンジン始動するときに、高温ガスが流れてきて、触媒の昇温スピードがもっと速くて、30s程度で300℃以上に上昇する可能性があります、TAIThermの排気系熱解析専用モジュールと組み合わせして、シミュレーションで確認することが可能です。

TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

EVまたはPHEVに不可欠な充電ケーブルは急速充電する時に流れている大きい電流に耐えるかどうかについて、TAIThermのジュール熱解析を用いて下記3点を確認することができます。

  • 電線自体の温度上昇は許容温度以内に収まっているかどうか
  • 勘合部およびコネクタ部の樹脂部品、センサーのピーク温度は大丈夫なのか
  • 冷却対策を導入する必要があるかどうか、導入による効果はどのぐらいあるか
冷却なし
冷却付き

TAITherm解析結果(Provided by ThermoAnalytics, All rights Reserved)

まとめ

  • TAIThermは電動化に不可欠な高電圧部品(バスバー、ケーブル、ハーネス、リレー、ジャンクションボックス、SDSW)のジュール発熱関連の過渡シミュレーションに適用することが可能
  • ジュール熱モデルは電気ドメインと熱ドメインを連成して計算するため、電気部品の温度分布を高精度的に解析することができる
  • TAIThermの電池解析専用モジュール、排気系専用モジュール、人体熱解析モジュールなどと組み合わせすることで、xEVに向けて車両熱シミュレーションを実現することが可能

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


Newest Simulation Technologies and Applications

Loading
error: Please contact us if you need the material.