FMIに対応したTAIThermと1Dシステムの連成シミュレーション

FMIはファンクショナルモックアップインターフェースと呼ばれるシステムツールとシステムツールの間で通信、モデル交換を行うために欧州の公的プロジェクト開発された汎用的、ユニバーサル的なオーペン標準です。一般的にシステムツール間の連成シミュレーションに使われていますが、TAIThermもFMIに対応する機能を追加したことで、TAIThermはFMIを介してシステムツールと連成することが可能になっています。場合には、システムツールを持っていなくても、TAITherm単体でシステムモデルとの結合ができます。例えば、電池システム開発部門の方は、空調システム解析のツールを持っていなくても、空調システムから必要なFMUモデルをもらえば、電池システム開発部門はわざわざ空調システム解析ツールをインストールしなくても、TAITherm単体でシステムレベルの電池温調解析が可能になっています。

TAIThermと1Dシステムモデルを連成する理由

TAIThermモデルは3次元熱解析モデルです、高精度的に過渡的に伝熱現象を解析します。システムモデルは1次元解析モデルです、支配方程式などをもとにしており、3次元形状データはありません。そもそも、なんでこの異質な二つを連成したいですか、という疑問があると考えております。

この二つを連成するのは、システム設計において従来では見切れないところまで見極めて、システム設計フロントローディングの質を向上させるためだと考えております。こんなことを経験したことがあります、ある製品のシステム設計においては綺麗にシステムとして成り立っているシナリオを作りました、部品レベルにシステム要求をを落としました。ただ、そのあと、こんな要求は無理だよ、こんな機能、目標値を満たせる部品は世の中に存在していないよと部品屋は強く反発しました。結局、設計は上流のシステム屋に手戻りし、システム設計は見直しせざるを得なかったです。こんな無駄のサイクルは、TAIThermと1Dシステムモデルの連成によって改善が可能です。

TAITherm3Dモデルはベンチ、前期モデルなとをもとに、精細な3次元形状を表現できます、実際の環境熱負荷、伝熱経路を考慮して、3次元熱流束、温度分布、対流を考慮することができ、コンポネントレベルで起こりうる問題を早期発見できます。1Dシステムではシステムパラメータ、制御アルゴリズム、多物理的な相互作用を織り込むことができます。この二つを組み合わせすれば、リアルと近いシステム挙動解析が可能になります。そして、早期的にシステム全体の課題を俯瞰することができて、見落としところ、不現実なシステム要求を防ぐことができると考えております。

TAIThermと1Dシステムモデルを連成する実例

一つの事例としては、車載エアコンシステムモデルと車室内温熱モデル、人体モデルおよび車載電池モデルのカップリング解析です。システムモデルは冷媒循環回路をモデリングし、吹き出し空気温度、電池を冷却する水温を正確に予測できます。 ただシステムモデルのみでは、車室内の温度分布、人体の表面温度、そして乗客の温冷感、快適性は予測できないし、電池のMAX温度、MIN温度、その温度分布を予測することができないです、ある意味で右側はブラックになっています。一方、TAIThermを加えれば、右側は全部クリアになります。冷媒循環システムがバランス点から離れた時に、車室内冷房と電池冷却はバランスを取れるか、二つとも目標達成できるか早期に確認することができます。

まとめてみれば、TAIThermと1Dシステムモデルを連成する理由は主にこの三つがあると考えております。

1点目はよりリアル的にシステムの振る舞いと性能分析です

2点目はハードウェア仕様の合理化と原価低減です

3点目はモデルの連成することにより、異なる設計と設計の間の連携促進です。

FMIとは

FMIは2010から開発されたシミュレーションモデル交換・接続のためのオーペン規格です、170以上のツールが対応しています。現在もモデリカアソシエション(MA)に改定、保守を継続されています。先月FMI3.0はリリースされました、最新バージョンとなっています。FMI規格はモデル交換、連成シミュレーションなどをサポートしています。

  • FMI(Functional Mock-Up Interface)は、標準化された形式が異なるツール間で動的シミュレーションモデルを交換・接続するためのオープンな規格
  • FMI最新規格はFMI3.0であり、Modelica Association ProjectにてFMI規格を改定および保守
  • TAIThermとその他100種類以上のシミュレーションツールはFMI規格をサポートしている
  • FMI規格ではモデル交換(Model Exchange)と連成シミュレーション(Co-Simulation)の二つの実装方法がある

FMUとは

実際にFMI規格に準拠して、FMI対応しているツールに実装できるものはFMUというものです。ファンクショナルモックアップユニットと呼ばれています。左側示しているように、モデル交換のために実装するFMUでは数式しか含まれていなくて、モデル解析は完全に実装先のツールのソルバーに任せています。Co-Simulation のために実装するFMUでは数式のみならず、ソルバーもセットで含まれています。モデル解析は自分のソルバーによって実行されます。実装先のツールは連成プロセスのマスターとして働きます。

FMUモデルには基本的にバイナリー、XML、リソースなど三つのフォルダに構成されています。バイナリーフォルダにはcall可能なバイナリーファイルがあります。XMLフォルダには変数などを記述しています。Resourceの中には、他の必要なデータ、ファイルが含まれています。

TAIThermでFMI/FMUを活用するユースケース

TAIThermはFMIインターフェースを搭載しております、インポートとエクスポート双方向をサポートしています。

TAIThermまたはCoThermは2021.1のバージョンからFMUモデルの利用、結合、連成をサポートし始めています。右側のCoThermテンプレートが示しているように、FMUモデルをCoThermのプロセスに織り込むことが可能ですし、スクリプトなどで直接にTAIThermと連成することも可能です。また、同時に複数のFMUを連成して、巨大な複雑系システムモデルに構成することも可能です。

TAITherm FMU Import

TAIThermはシステムツールに出力されたFMUを取り込んで、マスタとしてシミュレーションを実施する

TAITherm FMU Export

TAIThermはシステムツールに向けてFMUモデルを出力して、システムツールの解析環境においてCo-Simulationを実施する

FMI連成事例

CoTherm連成プラットフォームにFMUモデルを取り込みすることで、システムツールをインストールしていなくても、ここで示している車室内温調および人体快適性解析を実現できます。

HVACシステムのFMUモデルは冷暖房コンポネント、冷媒循環、冷暖房能力、エネルギー消費量などを解析し、CFDで車室内流れ場、熱対流を解析し、TAIThermは伝熱、人体温冷感、快適性を解析します。

外気-5℃の解析条件として車室内の暖房を起動し、FMUモデルは車室内空気温度が22℃になるように制御を行ってます。解析結果として、ドライバーの温冷感、快適性の過渡変化、暖房によるエネルギー消費、ドライバー近傍の空気温度の定量化、可視化できました。

このような解析を行うことで、暖房制御ロジックの最適化、コンポネント仕様の合理化を図ることができると考えております。

以下は電池セル過渡解析のもう一例を示しております。FMUモデルは電池セルの充放電挙動を再現し、TAITherm熱モデルはセルの温度分布、放熱特性を解析しています。結果として、電池セルは充放電に伴う時々刻々の電圧変化、放熱量、温度上昇を解析できました。

このような解析では電池のドライブサイクル走行において、放電と回生などを考慮した電池の自己発熱による温度上昇を予測することができます、電池温度制御ロジックの最適化、電池セルの選定、特性チューニングなどに活用することができると考えております。

まとめ

  • TAIThermとシステム解析ツールを連成することにより、よりパワーフル、リアルなシステム解析が実現可能。
  • FMI規格に対応することにより、TAIThermはより自由にシステム解析ツールと連成が可能になっている
    • TAIThermとCoThermはシステムツールのFMUモデルと連成
    • TAIThermのFMUモデルを出力して、システムツールにてシステムモデルと連成

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


Newest Simulation Technologies and Applications

Loading